店頭の看板やお知らせを多言語化することで、外国人は入店しやすくなります。外観を見ただけでメニューを想像できる日本人とは違い、外国人は何屋さんなのか分かりません。このため、どのようなメニューがあるのかを示してあげることが入店を促進します。
店頭の多言語化について、やるべきことやヒント、アイデアをご紹介します。
店頭の多言語化とは?
お店の前を通りかかったり、ちょうどお店を探している外国人に対して、店頭の多言語化は役立ちます。店舗の看板や、お知らせ、営業時間、食品サンプルに外国語表記を加えます。
英語や中国語、韓国語などの表記に加えて、写真やピクトグラムも効果的です。店舗の外観を見ただけでは何屋さんなのか想像できない外国人に、メニューや情報を伝えましょう。
なお、インバウンドの外国人の中には、日本らしさを求める人たちが多くいます。このため、あまりにも外国語表記を増やし過ぎることが、逆効果になることがあります。店舗のイメージを損なわないように注意しながら、店舗の多言語化に取り組んでください。
店頭の多言語化のチェックリスト7項目
では、店頭の多言語化として取り組むべきチェックリスト7項目をまとめます。
- 店名
- 業態
- 看板
- 営業時間
- 価格帯
- おすすめ
- 食品サンプル
これらの施策によって、お店の前を通りかかった外国人を呼び込む効果があります。また、情報サイトやGoogleマップなどを見て訪れた外国人の助けにもなります。
店頭の多言語化の具体的な施策
チェックリストをもとに、具体的な多言語化のための施策をご紹介します。
店名
店名や看板に外国語表記を加えることは、外国人にとって役立ちます。なぜなら、ガイドブックや情報サイトには、外国語で書かれていることが多いからです。
特に店名が漢字のお店の場合には、中国人以外には判別がつかないケースが多いです。
店名の掲示方法はさまざまですが、入り口付近の目立つ場所が良いでしょう。店名そのもので入るかどうかを決める人は、極めて稀です。このため、既に店名を知っている外国人向けに役立つことを意識してください。
業態
業態のミスマッチは、お店と顧客の双方にとってマイナスです。このため、どのような店舗であるのかを店頭で示すことが好ましいです。日本を観光に訪れる外国人に対して、多言語で業態を明示しましょう。
例えば、カフェや定食屋、居酒屋、ダイニングバー、ファーストフードなどの業態があります。
私たち日本人は「割烹」と書かれていれば高級店である可能性を認識します。また、「軽食」とあれば手頃な値段の一品料理や定食を想像します。このように、価格帯や格式をイメージできるサインとして、業態を提示しましょう。
看板
看板は大小さまざまですが、まずは小さな立て看板などから多言語化を始めましょう。
日本人向けの立て看板では、割引や飲み放題などの記載が多いです。一方、外国人向けではメニューや料理名などを多言語で提示することが好ましいです。
店舗によっては「歓迎」という意味で「Welcome」や「欢迎」などの看板を置くケースもあります。もちろん、歓迎の意を示すことにも意味はあるでしょう。しかし、同じスペースを有効活用するのであれば、具体的な店舗の説明等を記述する方が効果的です。
営業時間
意外と見落としがちなのが、営業時間の外国語表記です。
例えば、「24時間営業」という表記を、閉店時間が24時であると勘違いされるケースがあります。年中無休の24時間営業であれば「24/7」などと書きます。
また、「ラストオーダー」については「LO」もしくは「L.O.」と表記することで伝わります。もちろん、開店時間「OPEN」と、閉店時間「CLOSE」を記載するのが最も親切です。
価格帯
価格帯の分からない店舗に入店するのは、ためらわれるものです。予想外に高すぎる店舗に入りたくないという思いと同時に、安すぎるミスマッチが起こる可能性もあります。このため、店頭で価格帯に関する情報を提示することが好ましいです。
メニューを店頭に設置して、全ての商品の価格を提示することが有効です。また、定番メニューやセットの価格を多言語で記載したポスターを掲示する方法もあります。
おすすめ
日本の飲食店は、海外と比べて料理の種類が豊富です。複数の選択肢があることは良いことです。しかし、外国人にとっては混乱の原因になることがあります。
このため、最も人気のメニューや料理名などを店頭で提示することも効果的です。できれば、写真を上手く使って、おすすめの一品を紹介します。店頭の多言語化のなかでも、具体的に1品を提示する方法は効果が高いです。
もちろん、日本人向けと同じメニューをおすすめする必要はありません。外国人観光客が喜んで注文する料理をおすすめする方が好ましいです。
食品サンプル
食品サンプルは、店頭での集客力を高めるための日本が誇る文化のひとつです。価格帯やおすすめなどの項目については、食品サンプルを置くことでも提示できます。
ただし、日本人の間では、食品サンプルと実際の料理の差を大目に見る慣習がありますが、外国人向けではトラブルの原因になる懸念があります。このため、あまりにも実際の料理とかけ離れた食品サンプルを使用しないように注意しましょう。
このような期待の裏切りは、ネット上で悪評が広がる恐れがあります。ひとつの悪評や低評価が、インバウンド顧客の来客数に大きな影響を与えます。
店頭の多言語化まとめ
店頭の多言語化は、決して大きな集客力にはなりません。なぜなら、店の前まで来た外国人のみが対象となるからです。しかし、細かな工夫を積み重ねることで、インバウンド顧客の来店が徐々に増加する施策でもあります。
あまりにも外国語が目立つ店頭は、日本人客を取り逃がす恐れがあります。また、日本っぽさを期待する外国人にも好まれません。このため、店舗のイメージを損なわない程よい対応を心掛けましょう。
なお、店頭の多言語化は、当サイトが掲げる「店舗多言語化チェックリスト」のうちのひとつです。その他の項目についても解説記事を設けていますので参考にしてください。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。