入り口の扉・ドアの多言語化は、インバウンド旅行者のスムーズな入店を促します。

せっかく店舗まで訪れた外国人を、入り口で逃してしまうのはもったいないです。もちろん、店舗ごとに対応できることと、対応が難しいことがあります。可能なことをできるだけ行うことが、店舗多言語化のポイントです。

入り口の扉・ドアの多言語化とは?

店舗の入り口の扉やドア周りの多言語化は、入店時の混乱を未然に防ぐ役割があります。

外国人観光客と言えば、積極的で物怖じしない人たちという印象が強いかもしれません。しかし、国民性や個人の性格によっては、入店時に緊張する外国人も多いです。

このため、入り口の扉・ドアの多言語化によって、スムーズな入店を促すことが大切です。また、入り口の工夫によって、店内での接客にかかる手間(コスト)も変わります。

入り口の扉・ドアの多言語化チェックリスト5項目

入り口付近の多言語化については、次のような5つ項目があります。

  • 「押す」「引く」「スライド」
  • 入店を促すメッセージ
  • 入店後のテーブルまでの誘導方法
  • 行列や待ち時間の案内
  • 店内が見える扉・ドア

外国人の入店を促す対策と、入店後の混乱を未然に防ぐ対策の2種類があります。それぞれの項目について詳しく解説します。

「押す」「引く」「スライド」

まず、基本的なこととして、扉の開き方については多言語のプレートやシール等を設置しましょう。

特にスライド式の扉やドアに不慣れな外国人が多くいます。このため、入り口の扉が左右へのスライド式の店舗については、必ず多言語対応しましょう。

また、営業時には締め切っている扉やドアには、「This door does not open.(この扉は締め切りです)」などのメッセージがあると親切です。

入店を促すメッセージ

入店を促すメッセージは、外国人旅行者も歓迎する店舗であることを示します。

店頭の多言語化と合わせて、過度になりすぎないようにバランスの良い多言語化を目指してください。わざわざ日本を観光に訪れた外国人は、日本らしさを重視する傾向があります。

入店後のテーブルまでの誘導方法

入り口の扉やドアの時点で、入店後のテーブルまでの誘導方法を事前に伝えておくこともできます。

混雑時には入り口付近での対応に時間がかかるケースがあります。このため、テーブルへの案内をスムーズにするために、扉やドアで工夫をします。

例えば、「係りの者が案内します」や「空いているお席にお座りください」などです。

行列や待ち時間の案内

行列や待ち時間の案内は、外国人観光客に不要なストレスを感じさせない施策です。

具体的には、行列については並び方や待ち方を多言語で記載します。また、おおよその待ち時間についての案内があると親切です。

ランチ時に混み合う店舗では「13時過ぎであればスムーズに入店いただけます」などの表記があると、混雑を避けて入店するインバウンド観光客が増えるかもしれません。

店内が見える扉・ドア

改修には大掛かりな工事が必要なケースもありますが、店内の見える扉やドアは安心感を生む効果があります。

ファミレスやコンビニなど、大手チェーン店は、この効果を徹底的に活かしています。やはり、入店時には緊張や不安を感じる外国人も多いです。

入り口の扉やドアの多言語化は、文字情報だけに留まりません。扉やドアの改修が難しい場合には、店内の様子が分かるポスターなどを掲示することでも同じ効果が得られます。

入り口の扉・ドアの多言語化まとめ

私たちが海外旅行に出かけた際にも、店舗の扉やドアなど入り口で戸惑うことがあります。押すや引くなどの開け閉めの方法は国ごとにさまざまです。また、店内が見えない場合には営業中かどうか不安に感じます。

日本を訪れる多くの旅行者は、事前に日本の文化について最低限の知識を持っています。しかし、ドアの開け閉めや、入店の方法などの細かなことまでは調べきれません。